日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2023年6月29日相手に伝わる話し方のポイントとは?

 

★話がよくわからないと言われる


「上司と話をする度に『もっと分かりやすく話して欲しい』と言われる」
「会議で発言している際に自分でも説得力がないと感じることがよくある」
相手に言いたいことが伝わらなくてもどかしい思いをしたり、自分では一生懸命に話しているつもりでも話せば話すほど相手には「分からない」と言われてしまうという経験は誰にでもあると思います。どうすればこのようなことを言われずに、端的に相手に伝わる話し方ができるようになるのでしょうか。今回はそのポイントを、私が経験したことを例にしながらお話します。


★話し方がお上手なT先生


私は数年前に狭心症の手術を受けました。手術後は血流が悪化していないか3ヶ月毎に検査してもらっています。血液検査や心電図検査などを行い、その結果を担当のT先生から伺います。その際のT先生の話し方に私はとても安心するのです。
先生は「横田さん。結論から言えば、パーフェクトですね。100点満点です。すごくいいですよ~」と言ってくれるのです。先生と話をする度に私は「T先生のお話の仕方は本当にお上手だなぁ~」と感心しています。

 

◆知りたいことを真っ先に言う


私が、T先生のお話の仕方がお上手だなぁ、と思う点は主に2つあります。

1つ目は、T先生が私が知りたいことを真っ先に言ってくれることです。
先生はいつも「結論から言えばパーフェクトです」と、私が知りたい結果をまず教えてくれます。お医者様の中には「悪玉コレステロールの数値が少しよくないですが、まぁ許容範囲内でしょう。血圧は問題ないですね・・・。その他も特に引っかかるところはないようです。まぁ、全体的に問題はないのではないでしょうか」などと、数値の解説などを先に言い、私が聞きたい結論は最後に言う人が少なくありません。こういう話し方では聞き手はかなりじれてしまいます。
日本話し方センターでは、まず言いたいことを短い言葉にして最初に言いましょう、と伝えています。T先生は結論を真っ先に話してくれるので患者は安心してお話を聞くことができるのです。


◆はっきりと言い切る


2つ目は、曖昧な言い方はせずにはっきりと言い切ることです。
「まぁ、問題ないと思いますよ」や「今のところ問題はないんじゃないでしょうか」といった言い方ではなく、T先生は「パーフェクト、100点満点です」と言い切ってくれます。この話し方に聞き手はとても勇気づけられます。
私たちは意見や考えを言う場合、この「言い切る」ということがとかく苦手です。言っていることに間違いがあるかも知れない、と思って少し言葉尻を濁してしまう。また、「これ以外にない」という自信が今一つ持てないので「~と思います」という言葉をつけてしまう。何れにしても、言い切るのが恐い、という感覚があるのは間違いありません。

しかし、相手の信頼を得よう、納得してもらおう、と思うなら、思い切って「言い切る」ことはとても大切です。私たちは受講生に、スピーチの最後を言い切りましょう、と伝えています。「私はこれからも常に相手のことを考えていきたいと思います」ではなく「私はこれからも常に相手のことを考えていきます」と言った方が意思の強さをストレートに感じることができます。また、「私は今後は人の悪口は言わないようにしたいと思います。」と言われると、聞き手は「結局また言い始めるんじゃないかなぁ」と思い、半信半疑な気持ちになってしまうでしょう。これを「私は今後、決して人の悪口は言いません」と言えば、聞き手は「おっ、言い切ったな。本当にそう思っているんだな」と思ってくれるはずです。言った本人も、自分の言い切った表現に背中を押されて、「よし。悪口は絶対言わないぞ」と思いを新たにできるでしょう。

話がよくわからない、と言われる人は『相手が知りたいことを真っ先に言う』『はっきりと言い切る』の2つを強く意識して話をするようにしてみてください。きっと今までと違う反応が返ってくるはずです。

 

★話し方を学びましょう!


日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、言い切ることをはじめとして、相手に伝わる効果的な話し方を受講生一人ひとりに相応しい形でご指導しています。その効果は多くの受講生に実感いただいています。ぜひ「受講者の声」をご確認ください!
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